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【浜村徹三のIPM教室】
イチゴの主要病害虫のIPM(総合的病害虫管理)その1
 チリカブリダニと共用できる薬剤(イチゴ用)

イチゴの栽培特性と留意点
 イチゴ栽培は、秋の定植に始まり11月頃から翌年のゴールデンウイーク頃まで連続的に収穫が続く。連続的に収穫に追われる生産者は出来るだけ薬剤散布は避けたいと考えている。イチゴのほとんどは生食用であることや、薬剤防除による病害虫の抵抗性の発達を防ぐためにも、生物農薬などの利用が望まれている。
 イチゴ栽培で最も問題になるのは、ナミハダニで、多量に発生すると網をかけたような状態になり、株は委縮して、収量は極端に低下する。殺ダニ剤に対しては薬剤抵抗性を発達させるので、薬剤のみでは防除が難しい。幸い生物農薬のチリカブリダニとミヤコカブリダニが市販されているので、これらを利用することを前提に話を進める。
 育苗期の管理; 苗床でもハダニが発生するが、ここでの防除で、薬剤抵抗性を発達させることがないよう注意が必要である。特にダニサラバ、スターマイトなどの薬剤は本圃での散布に残しておき、他の殺ダニ剤をローテーション散布する。苗の時期は暑い条件であるが、チリカブリダニやミヤコカブリダニは暑さには強いので、育苗期も利用が可能であり、面積が狭いので効率的に働いてくれる。
病害虫の発生状況の把握;イチゴではハダニ類、アブラムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、ハスモンヨトウなどのチョウ目害虫、うどんこ病などの病害が発生する。以下の項では、それぞれの病害虫ごとに、対処方法を示すことにする。生物農薬は害虫の発生初期に導入する必要があるので、これらの害虫の発生については常に注意を払い、ハダニの発生が確認されたら、カブリダニを導入する。ハダニの発生密度が多目の場合はチリカブリダニ、ごく少発生の場合はミヤコカブリダニを放飼する。
薬剤の選択;近年、天敵類に悪影響の少ない薬剤が多数登場したことによって、いろいろな作物でIPM(総合的病害虫管理)が可能になった。イチゴでチリカブリダニを導入してからハダニ以外の害虫が発生した場合や、カブリダニがハダニの増殖に追いつけない場合に、散布できる薬剤を表1に示した。ミツバチへの影響に注意した上で、これらの薬剤を利用することができる。



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