一覧へもどる

【浜村徹三のIPM教室】
イチゴの主要病害虫のIPM(総合的病害虫管理)その5
 アザミウマ類の対策

 ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマなどが寄生する。成虫は主に花に寄生し、組織中に産卵する。孵化した幼虫は果実の表面を食害し、やがて株元付近の土中で蛹になる。卵から成虫までの発育期間は25℃では12日と短い。
 多発すると果実が黄化、褐変し光沢がなくなる。定植後に周囲から飛来した成虫が発生源になるので、周辺の発生源の除去に努めるとともに、飛来防止のため開口部にネット(1mm目合い)を張る。秋に侵入した成虫から徐々に増殖し、春になって気温の上昇とともに多発するので、粘着板を設置して発生状況を把握する。


◆生物的防除

【タイリクヒメハナカメムシ】
土着のヒメハナカメムシで、アザミウマの成・幼虫を捕食する他、ハダニ、アブラムシ等も捕食する。太い口吻を害虫の体に突き刺し、体液を吸収して殺す。適温では卵から成虫まで約2週間で発育する。何でも攻撃し、餌不足の時はチリカブリダニも攻撃する。
商品名:オリスターA(100頭入り)、タイリク(250頭入り)

【ククメリスカブリダニ】
アザミウマを捕食するカブリダニで、主として幼虫を捕食する。待ち伏せ型の天敵なので、害虫密度が低い時期に予防的に導入するのがよい。
商品名:ククメリス、メリトップ。500mlボトルに50,000頭が入っており、一振り約100頭を株毎に放飼する。

【デジェネランスカブリダニ】
本種もアザミウマを捕食するカブリダニ。おわんをかぶせたような特異な形態をしたやや大型のカブリダニ。
商品名:スリパンス

【アリガタシマアザミウマ】
アザミウマを捕食する天敵アザミウマ。
商品名:アリガタ


◆化学的防除

【マッチ乳剤】
キチン合成阻害剤、ミカンキイロアザミウマとオオタバコガ等に効果がある。ほとんどの天敵類に影響がないが、ハナカメムシ類には悪影響がある。

【カスケード乳剤】
キチン合成阻害のIGR剤で、ミカンキイロアザミウマの他、オオタバコガ、ハダニ類等に活性がある。やや遅効的であるが残効はある。天敵への影響は少ないがハナカメムシ、クサカゲロウには悪影響がある。マルハナバチへの影響は2日程度。

【アタブロン乳剤】
キチン合成阻害のIGR剤で、ミカンキイロアザミウマ、ハスモンヨトウに登録がある。ハナカメムシ類以外の天敵にはほとんど悪影響はない。マルハナバチへの影響は4日程度。


◆物理的防除
ネット、粘着資材《 バグスキャン 、バグスキャンロール 》





ミカンキイロアザミウマ成虫

タイリクヒメハナカメムシ

ククメリスカブリダニ

閉じる
一覧へもどる